2級建築士になってやろうぜ!建築士までの道のりと現場の実情!  

 

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地盤補強の施工不良によるマンションの地盤沈下。悪質な会社の強引なリフォーム詐欺
大きな震災による住宅倒壊など。
昨今益々建築士としての社会的重要性が見直しされています。

今本当に建築士が必要な時代に突入しつつあります。


それに伴い国家試験も厳しくなり、また取得してからも更新制が採用され、
定期的に最新の情報や法律を把握する必要性があります。
そこで今から建築士を目指す方々に、道のりと実際現場での実情をお伝えできればと思います。

1級建築士、2級建築士になる為には?

 まず建築士の資格にはビルや大型施設から、住宅まで対応できる1級建築士と、比較的小さい建物や木造住宅などを扱うことが出来る2級建築士に分けることができます。
木造建築士については実務上2級建築士と必要性が同じなので今回は省略させて頂きます)
もちろん1級建築士のほうが試験も厳しく、建築できる範囲は広がりますが、
実際の現場では必要な資格や知識も様々出あるため、世間のイメージするような
1級建築士と2級建築士にさほど優劣はなく、あくまでも専門分野が異なると認識したほうが良いでしょう。
ではそれぞれの建築士試験を受けることが出来る、受験資格を簡単にまとめてみます。

 

2級建築士試験の受験資格


①大学、高専、専門学校(建築学科などの国から定められた学校)を卒業していること
②高校建築学科などの国から定められた学校)卒業後3年間以上の実務経験があること
③建築に関わる実務経験が7年間以上あること
基本的にはこの3ルートになることが多いと言えます。

・1級建築士の受験資格


①大学、高専、専門学校(建築学科などの国から定められた学校)を卒業後2年間以上の実務経験があること
②2級建築士として、4年間以上の実務経験があること
基本的にはこの2ルートを進む人が多いと言えます。

なによりまずは建築系の学校卒業することで受験資格を得ることが出来ます。
それこそ現実的で一番建築士の資格を取得する近道と言えるでしょう。
1級建築士の受験資格は2級建築士より厳しく、比べると少しスパンの長くなる道のりです。
最近では実務経験の内容等も受験申込時に記載する願書の内容をとても詳しくチェックされます。
最寄りの建築士会に自分で持参する場合がほとんどなのですが、
実務の内容で質問を受ける場合もありますし、受付担当者によってはその場で何度も訂正を強いられることもしょっちゅうです。
また法律改正により、受験資格のハードルも上がりつつあるので、定期的に更新されることがあります。
したがって、毎年確認の必要あると言えます。

それぞれの建築士の違い

 1級建築士と、2級建築士ですが、試験内容も少し異なる為、建築できる規模や内容が異なります。
簡単に言えば街中にある木造住宅やテレビ番組で放送しているようなリフォームは2級建築士、それよりも大規模なマンションや、高層ビル、大型施設などは1級建築士といった区別でしょう。

・2級建築士範囲
①木造住宅で軒高9m以下、最高高さ13m以下の建物
②木造以外(RC造や鉄骨造)で延床面積300㎡以下の建物

・1級建築士範囲
建築物全般可能(ただし規模によっては構造設計1級建築士の必要あり)

それぞれが携われる範囲だけを見れば、1級建築士のほうが2級建築士より優れているように感じでしまいます。
確かに受験資格も試験内容も厳しい1級建築士ですので、その感覚も少なかれ間違っていませんが、
実際の現場では少しズレが生じます。
先ほども述べましたようにあくまでも専門的な知識が必要な業界ですので、1級建築士が木造住宅に詳しいといえば
必ずしもそうではありませんし、2級建築士でも1級建築士の方に構造設計や設備設計という専門的立場で助言することもあります。

 

構造設計1級建築士、設備設計1級建築士とは?

 

 さて少し前からですが、新しい資格が設けられました。
それが「構造設計1級建築士」「設備設計1級建築士」という名前からして難しそうな資格です。
呼んで字のごとく、1級建築士の中でも更に細かいカテゴリーを追加したものになります。
1級建築士を取得後、実務経験5年以上で受験資格がもらえるこの2つの資格は最近の社会的重要性を反映した資格になっていると言えるでしょう。
 まず、耐震偽装問題や震災の頻発化による構造的な専門性の必要性が高まった事が理由に挙げられます。
建築業界とって、特に地震による住宅の倒壊や、大型施設の耐震化は必要不可欠な知識となってきました。
しかしながら、先ほども述べましたように、なかなか専門性に分かれた分業社会です。
素晴らしいデザインばかり世の中に残し続けている意匠建築士といわれる、いわゆる建築家の方々。
建築の確認申請業務を中心に業務を日々遂行している建築基準法、施工令などに詳しい建築事務所の方々。
前に述べましたこの二つの業種の方々は、正直建築士の総数に対して半数以上を占めているとおもいます。
そしてとても数が少ない専門業種、それが「構造」と「設備」のエキスパートなわけです。
耐震などの構造もそうですが、もう一つ世間の中、特にこれから家を買うであろう消費者の方々の中でも関心が高い事項の一つに省エネや環境保全を目的とした住まいづくり、つまり「より長く住める快適な住環境」の実現だと思います。
 まさしく建築士として社会貢献する上での、役割や人々に対するニーズにお応えするべき仕事が
文字通り資格として設定されたということです。

建築士が活躍する現場

 さて、ここまでで建築士になるための道のりと最近設定された資格についてお伝えしました。
実際に建築士を取ってからどのような現場にて活躍するのか簡単にご説明致します。
1級建築士、2級建築士に関わらず、まず1番多いのが、ハウスメーカーや地域の工務店での設計業務、現場施工監理者、住宅営業が多いでしょう。
特に大手のハウスメーカーでは、施工図など実際に現場で使う図面を作図する部署、確認申請や行政との打ち合わせを行う部署以外に、営業マン自らが建築士資格を取得し、実際にお施主様と打ち合わせ、プランを作成して、営業としての付加価値を求めている場合も多いと言えます。このケースの場合、デザインなど要望に対する落とし込みはもちろん可能になるわけですが、なによりも構造的問題や、法的問題に素早く対応できる点がとても有利になります。
社内に持ち帰り、専門部署からNGが出ることもありませんし、お施主様にとっても、すぐレスポンスがかえってきて、スムーズな図面確定、着工、竣工までが実現可能となるわけです。
 また、建築士しか携われない業務は多々ありますが、それは法的な意味合いであり、
役所に申請を提出する際や、お施主様と契約する際に必要となります。
 ですが資格をもっていない方も建築業界には大勢います。その方たちが劣っているかというとそうではありません。
実際には建築士を持っていても、有効にその知識を使い切れていない人も、残念ながら多くいらっしゃいますし、
逆に建築士の資格を持っていない方で、よりずっと詳しい方は驚くほど存在するのが、この業界になります。
ですから、建築士が偉いといった意識で仕事をしていると、スムーズに業務が進まない事も多々ありますし、
上からモノを言う態度では問題だらけの現場になってしまいがちです。

取得してからがスタート


 さて、せっかく苦労して建築士を取得してもそこがゴールではありません。
先ほども述べたように、建築士の資格を持っているからと言っても実際の現場では正直大差ありませんし、残念ながら関係ありません。ずっと長いこと実務をこなしている無資格の方のほうが断然重宝されます。
例えば1級建築士として、普段から大きな建築物に携わっている方に、木造2階建のマイホームをお願いしても
おそらく建築はスムーズに進まないでしょうし、お施主様にとっても、建築士の方にとっても双方よくありません。何回も述べますが、専門性の高い業界なのです。
建築士という大きな資格の範囲内であっても、建築業界は分業制です。
各々がどの分野を担っているかによって活躍する現場が違うのも必然ですし、だからこそより良い専門性が必要不可欠なのです。
そして何より大切なのが資格を取ったからといって、勉強することを忘れてしまうと、絶対にこの業界では食べていけません。日々新しい壁にもぶつかりますし、問題が出尽きることなどありえません。
例えば耐震の話で言えば、以前の耐震基準ではもはや違法建築、既存不適合物件になります。つまり研究が進んで世の中のニーズや関心が高まれば高まるほど、法律や地域の条例も更新さてるのです。
そういった業界の流れに日々アンテナを立て、精進すること、毎日の積み重ねがあってこその良き建築士であるといえるでしょう。

建築士資格を取得するために学校へ通う理由

さて、建築士取得をいざ目指そうとするとき、大半の方が社会に出て働きだしている頃でしょう。
時間の自由が利く学生時代と違い、日々の実務をこなしながら勉強をすることは時間的にも精神的にも
とても厳しいことでしょう。ですが建築士の受験資格に実務経験がある以上、仕事を辞めて勉強に専念することも
難しく、やはり日々の生活に「資格取得」に向けての勉強を取り込んでいく必要があります。
本屋さんに行けば参考書もたくさん出ていますし、過去問集も販売されています。
つまり独学する材料はあることにはあるのです。
しかしながら独学で資格を取得することは並大抵の努力ではありません。やみくもに勉強しても受かりません。
そこで大半の方が建築士資格に特化した学校に通うことになるのです。
日建学院」「総合資格」というこの二校で試験合格者の90パーセントを輩出するといっても過言ではありません。
こうした学校では建築の実務を学べるのではなく。あくまでも試験で合格を勝ち得るためのノウハウを教えています。
宿題や、授業内容、復讐、予習の仕方、出席管理など、あらゆる視点からサポートしてもらえます。と同時に授業料は高額です。おそらく建築業界以外の人には考えられない金額です。1年で80万円くらいといったところでしょう。
学校側のサポートを受けながら、勉強する時間と方法をお金で買うシステム、あとは本人のやる気が大切になってきます。
特に社会にでたばかりの新社会人は、まだ仕事も慣れていない、いろいろ覚える事だらけな時期とかぶってしまいますが、そのような時期だからこそ、学校に通う必要性があります。
また、社会にでて仕事を覚えると、資格が無くても色々な仕事を任せてもらえるようになります。
それもまた忙しくなる生活環境になります。そうするとまた勉強をする時間がつくれず、結局は独学では厳しいということになります。建築業界特有の携わっている人間の大半が忙しい毎日を過ごしているということです。
実際、いざ学校の門をたたくと、年代も20代から60代くらいまでの生徒がいます。
あまり想像できないかもしれませんが、席の隣に座っている人が自分の父親と同じ年代ということもあり得る世界です。
それだけ、建築士という資格は、働きながら取ることがとても難しいということです。
その中でしっかり勉強してこそ、また最後まであきらめない人こそ、合格を勝ち得て建築士になることができるのです。

 

学科試験対策 体験談


 さて学科の対策ですが、まず第1に過去問を何回も繰り返すということです。学校では過去問題集をすべての教科約10年分と、過去問題をアレンジした問題、それから新傾向の問題など様々な問題に取り組むことができます。
 どのような資格試験でも過去問題を解くことによって、テストの傾向をつかむことができます。そしてわからない問題はテキストを読み込んで理解していくことが大切です。
 また、だいたい授業は週1回だと思います。日々忙しい仕事のつかの間の休日を使って授業を受けるわけですから、より効率の良い勉強方法が合格への近道です。
 それには授業前に当日の勉強内容をサラッとでもよいので確認しましょう。わかる点、わからない点、不明確で迷ってしまう点など、事前に把握していれば、長い授業時間の中でメリハリをもって受けることができます。
 その日の授業が終わると、必ず宿題があります。宿題はその日のうちにやりましょう。なぜかというと次の日時間をつくって取り組もうとしても、仕事があるとそうはいきません。時間があるときは常に勉強するモチベーションが大切です。
ダイエットと一緒かもしれません。急に飲み会が入ったり、雨が降ったりすると、ランニングやトレーニングの曜日を決めていても辞めてしまうのと一緒です。勉強もいつ仕事で時間を確保できなくなるかわかりません。
 場所や曜日を問わず、常に問題やテキストと向き合う時間を少しでもつくることが合格への一歩です。学科は製図試験と違い、問題集片手で勉強を進めることができますので、比較的調整が利きます。
 全体の受験生から一歩抜きんでて学科の勉強をしっかり進めてこそ、学科突破のカギとなるのです。


製図試験対策 体験談

 

 無事学科が通れば二次試験、実地試験になります。つまり実際に問題を見て、テーマにそった建物を考え図面に起こす試験です。聞いただけで難しそうですよね。
 製図試験において学ばなければならない技術の一つに、「エスキス」があります。
エスキスとは製図の試験冒頭に書いています建築基準や、建物用途、規模、ポイントを的確に読みとり、まとめることです。図面化する前の下準備といったところでしょうか?
普段の業務、特に設計事務所で働いていてエスキスの方法を心得ている方であれば、入っていきやすい内容かもしれませんが、残念ながらこの建築業界も見渡してみても、絶対的人数は少ないと思います。
このエスキスの手法、ポイント、要領を教えてもらうために学校に行くのですが、エスキスにも正解がありません。
でも不正解はあります。中学校や高校、大学で挑んだ試験でいまだかつて答えがいくつもある試験を受けた方は少ないと思います。ですので、こればかりは学校に通い、様々なパターンを頭に入れ、定着させていく必要があるということです。
 製図試験の全体の流れとしては、
・まず問題文を良く読む(二回以上、アンダーランインをいれながら)
エスキスの実施
・もう1回問題を読む(きちんと問題に記述してあることが網羅されているか)
・製図
・最後にもう一度問題を読む(最終チェック)
といった感じ、何回も問題文に戻ることが大切です。そうすることにより図面を採点基準にのせることができます。
 エスキスが無事完了すると、あとはしっかり図面に落とし込んでいくかたちとなります。
ところがこの図面を書く作業、昔は図面を引くといっていましたが、最近はパソコンのCADで業務を行うことが一般的です。つまり手書きのテクニックなど持ち合わせていない方が大半でしょう。
しかしながらそこも通学して学ぶことができれば、さほど問題ではないでしょう。
図面をきれいにみせるコツとしては
・断面、躯体ラインなどは筆圧を濃くする(図面にメリハリをつける)
・細かい箇所は手書きでサッと書く(多少、テキトウでも構いません)
・文字だけはハッキリ丁寧に書く(気持ちよく採点してもらうため)
上記のことだけしっかり心がけ、作図に取り組めば気持ちの良い図面になります。


建築士になって良かったこと メリット 成功体験 現在の気持ち


無事建築士の資格を取得したことで、仕事の進め方にも変化がでてきます。
事務所や、社内での仕事は年数が経つうちに変化していき、大きな仕事も任せてもらえるようになりますが、
建築士の資格がないと、法的に、また対外的に仕事ができません。
図面枠に名前も出すことができませんし、押印もしませんので責任がありません。
 そういった意味では、建築士として建築に携わることにより、責任も生まれ、また対外的な信用度も増すことができるのです。
 特に構造計算などの「資格」なくして実務を行えない分野などで、仕事を任せてもらうのはありがたいことですし、
嬉しい限りです。
 また、周りに対しての説得力も建築士か、そうでないかでは違いますので、おのずと信用されます。
しかしながら、前にも述べましたように、この業界は分業制で、常に新しい壁にぶち当たります。
技術の進歩も目覚ましく、各メーカーさんが自社に研究所を設けて、人々の暮らしに寄り添った研究を行っています。
そういった先進的な技術を学ぶ姿勢、常に謙虚に仕事に取り組む姿勢が大切なのです。